子供の歯のコラム

初期のむし歯は自然治癒する?

初期のむし歯は自然治癒する?

皆さんこんにちは。
いずみ歯科クリニックです。

歯というのは、自然に治ることのない病気として有名ですよね。
治療を受けずに放置すると、病変がどんどん広がっていってしまいます。
けれども、「初期う蝕」と呼ばれる発生して間もないむし歯であれば、ケースによっては自然治癒することがあるのをご存知でしょうか。
今回はそんな初期のむし歯について詳しく解説します。

初期う蝕とは?

初期う蝕とは、歯の表面にまだ穴が開いていない状態のむし歯で、白濁として確認されることが多いです。
歯の表面の一部に白い斑点のようなものが認められたら、それは初期のむし歯かもしれません。
ちなみに、なぜ白濁しているのかというと、むし歯菌の酸によって歯の内側が脱灰され、歯質が濁って見えるからです。
これを専門的には「表層下脱灰(ひょうそうかだっかい)」と呼びます。
実はこの段階であれば、まだまだ自然治癒する可能性があるといえます。

むし歯の自然治癒とは?

基本的に、むし歯は自然に治ることはありません。
むし歯菌が作りだした酸は、エナメル質や象牙質を溶かし、実質的な欠損を生じさせます。
そうして失われた歯質は再生することはありません。
また、歯に感染したむし歯菌も自然に消滅することはまずないのです。
そういった意味から、むし歯は自然治癒しない病気といえます。
けれども、初期のむし歯には、まだ歯質の欠損が生じていませんし、フッ素塗布などによる歯の再石灰化で、むし歯の進行を止めることは可能なのです。
ただ、初期のむし歯によって生じた白濁は、消えることはありません。
もしも、初期のむし歯によって生じた白濁を改善したい場合は、歯の漂白であるホワイトニング処置などが勧められます。

まとめ

このように、初期のむし歯というのは、早期に対応することで病気の進行を止めることができます。
歯は一度失うと再生することのない組織であるため、初期の段階で再石灰化を促し、実質的な欠損を回避することが何よりも重要といえます。
ですから、歯に穴が開いていなくても、白濁のような異常な症状が認められた場合は、すぐに歯科を受診することをお勧めします。